自己破産は、債務整理の手続きの中で「最も負担が軽くなる」手続きです。今ある全ての借金の状況について裁判所に申告し、裁判官に支払不能であることが認められると、原則、すべての借金がなくなります。
目次
自己破産のメリットとは?
今ある借金がすべてなくなる
自己破産は、今ある借金が原則、すべてなくなることが大きなメリットです。国に納める税金などは免責の対象外ですが、クレジットカードの残高やカードローン、自動車ローンなどの借金は、すべてなくなります。
債務整理には、任意整理、民事再生、特定調停などもありますが、減額される借金の大きさでは、自己破産が最大です。借金のほとんどがなくなり、新たな生活をスタートできるのが、自己破産の大きなメリットではないでしょうか。
弁護士介入により借金の督促が止まる
自己破産をするために弁護士に依頼すると、その日から借金の督促は止まり、以降、借金の返済をしなくてよくなります。弁護士は、債務者本人の代理人として活動しますので、弁護士介入後は、直接、債務者と連絡をすることが禁止されているからです。
これまで、毎日のように請求されていた生活から、解放され、今後の生活についてゆっくり考える時間ができるのも大きなメリットです。
借金の返済がストップする
「お金がないのに弁護士なんて依頼できない・・・」と思う人もいますが、弁護士に依頼後は、借金の返済がストップします。消費者金融などに借金の支払いをしなくてよくなりますので、この期間を利用して、弁護士費用を積み立てていきます。
弁護士に依頼すると、弁護士が毎月の生活のやり繰りなども考えてくれますので、これまでの生活よりも楽になります。借金の返済がストップすることで、今の状況を大きく変えるチャンスが得られるということです。
自己破産のデメリットとは?
価値がある財産が換金される
自己破産をすると、価値が20万円以上ある物、100万円を超える現金預金などは、すべて没収されます。冷蔵庫や洗濯機、その他、生活に必要なものは、手元に残しておけますが、価値の高い自動車、高級ブランドのバッグや洋服、腕時計などは、換金されて借金返済に充当されることがあります。
資格制限がある仕事ができなくなる
保険募集人や宅地建物取引主任者、警備員などをしている人は、自己破産の免責を受けるまでの約6ヶ月間は、仕事ができなくなります。自己破産をして復権を得るまでは、資格制限により、仕事ができなくなることがあるのが自己破産のデメリットです。
資格制限のデメリットを受ける可能性がある人は、他の手続きも含め、弁護士などの専門家に相談することが必要です。
信用情報機関に自己破産の事実が記録される
他の債務整理の手続きと同様、自己破産をすると、信用情報機関に債務整理の事実が記録として残ります。このことにより、最長10年間は、新しい借金の申し込みをしたり、クレジットカードの契約、携帯電話の分割払いでの購入などができなくなります。
また、自己破産は、裁判所の手続きを利用しますので、名前や住所が官報に記載されます。記載された官報が知人に見られる心配は、ほとんどありませんが、これも自己破産のデメリットになります。
自己破産は、メリット、デメリットのどちらも大きいという特徴があります。自己破産が適した債務整理であるかどうかは、今の状況によりますので、弁護士をはじめとする専門家へ相談した上で手続きを決めるようにしましょう。